2008年10月12日
■11日は後継者塾初日でした。10名の塾生がこれからの4ヶ月にチャレンジしていきます。
初日最後の講師は大武健一郎氏(元国税庁長官)。いつもながら興味深いものでした。何回か拝聴させていただいていますが、いつも新鮮です。
その中で興味深かった質疑応答をひとつ。
質問:
「高齢化社会において、予防医学のビジネスチャンスをどうとらえたらいいでしょうか」
回答:
「まず第一にね、65歳以上の人口が増えたからといって高齢化社会ではないんですよ。よく皆さんの社員にも言い聞かせてください。
65歳は高齢でもなんでもなく、まだピンピン働ける年。なのに、年金支給年齢というだけで高齢扱いになっているだけなんです。
この65歳という線引きは、19世紀後半に当時のドイツ帝国宰相ビスマルクが平均寿命45歳からみて勝手に設定したものでね、いまの日本の平均寿命で計算すると90歳以上になるんですよ。当時は結核でバタバタ亡くなっていたから65歳なんていったらすごく長生きだったわけだ。
だから、高齢化社会というのは、さすがに体が言うことを利かなくなる75歳以上の人口が増えてきたときのことを言うのが正しいんです。
ちなみにね、その75歳以上の人口推移は、
・10年前 900万人(13人に1人)
・現在 1200万人(10人に1人)
・2015年 2000万人(5人に1人)
ということだから、あと7、8年後はさすがにまずいけども、いまはまだそうじゃない。
そうなるとね、いま社会で必要なのは元気な65歳以上の雇用システムなんです。
その文脈からいくと、予防医学は、病気を予防するという『内科的予防』ではなく、元気に体を動かせる『外科的予防』に視点を移していかないと間違えますよ」
■このやりとりから高橋が学んだのは、
「キーワードで思考停止してしまわないこと」
です。
「高齢化社会」だけに限らず、マスメディアで使われる言葉にはいったん立ち止まってモノを考えるクセをつけたいものです。
特に行政や規制で使われるキーワードは、いまの時代にあわなくなったものが多いので、いったん本質まで戻らないと、人並みの発想しか出なくなります。
ここらあたりは、中計策定における環境分析で留意するところだと改めて。

2008年10月アーカイブ
日本のブルーオーシャン戦略
2008年10月10日
おはようございます。
塾長の高橋です。
■最近、2社のクライアントさんとのミーティングで「ビジネスモデルをどう変えるか」という話がたまたま同時並行的に出ています。
ビジネスモデルを考えるフレームワークとしては、一番ポピュラーなものとしては、
(1)バリューチェーンで考える
(2)アンゾフマトリクスで考える
の二つがありますが、これらは基本として一応はおさえておくべきフレームなので、著書でも説明を簡単にしてありますが、中堅中小で一番使い勝手がいいのは「ブルーオーシャン戦略」です。
3月の後継者塾でも3時間で速習したのですが、塾生の評判はけっこうよくて、「あれ以来、うちの会社でも検討をはじめています」なんて声もありました。
■ブルーオーシャン戦略の復習
オリジナルは例の青い本ですが、最近「日本のブルーオーシャン戦略」(安部義彦+池上重輔著)というのが出ました。
さっそく読んでみたのですが、たぶんオリジナル翻訳本よりもわかりやすく実践的な印象です。
さて、ブルーオーシャン戦略を一言で言うと、
「価値をあげながら、それでいて、無理なくコストを下げる」
です。
ポイントは無理なくというところ。オペレーショナルエクセレンスとか、コスト削減、海外調達とかいった話を使わないところが目ウロコになります。
マイケルポーターの競争戦略では、
1.差別化
2.コストリーダーシップ
3.集中化(差別化してコストを下げる)
の3つが基本だとしています。
お気づきのようにこの考え方って、実は大企業の話なんですよね。
つまり規模経済や大量調達、コスト削減や業務改善をする余地がある経営資本がものを言うときの話。
が、ブルーオーシャン戦略は、
・大企業同士が火花を散らして戦っている土俵には行かない
・規模の経済ではなく、その土俵では必要とされていないものを削る
というものであり、資本ではなく知恵で戦う戦略。
中小企業は知恵で戦うわけですから、ぴったし(名古屋弁?)。 いや、むしろ戦わないということですが・・・
ブルーオーシャン戦略をざっと理解するならこれがよくまとまっています。
http://allabout.co.jp/study/bizenglish/closeup/CU20050704A/index.htm
■さて、「日本のブルーオーシャン戦略」の中で一番わかりやすいのが、ソニーのウォークマンの話。ERRCグリッドで整理すると、
※ERRCグリッド
除去:Eliminate, 減少:Reduce, 増加:Raise, 創造:Create
除去:録音機能、スピーカー
減少:微妙な調整、多機能
増加:使い勝手
創造:ファッション性+ポータビリティ
ソニー社内では「絶対売れない」といわれていたこのコンセプトを、当時の盛田社長が強引に推し進めました。盛田社長は「社内で反対が多かったので、これは売れると思った」というような記述を読んだ記憶がありますが、それぐらいの大胆さをもってERRCを検討していくのがポイントなのかなと思います。
■ちなみに高橋は、盛田社長の号令で社員を総動員させて電車の中でサクラ装着させ口コミ喚起させたという逸話を聞いて以来ソニーにあこがれて、新卒時と中途で三回も入社面接を受けてしました。全部落とされましたから、見る目がないのか、見る目があったのか・・・
■そのソニーがいつのまにか除去と減少のコンセプトから離れてどんどんウォークマンを進化させ、逆にシンプルに機能を絞った上でストレージ機能を創造したipodに負けてしまいました。
圧倒的勝者もいつのまにかレッドオーシャン的考えになります。それは大企業病のひとつの症状かも知れません。そしてベンチャースピリットをもったプレーヤーがブルーオーシャン戦略で市場創造していく。
言い換えれば、この厳しい時代であっても、知恵で戦うならいくらでも勝機があるということで、クライアントさんとのワークもそうですが、自分の事業でも、よりいっそう汗を流していこうと思っている今日このごろです。
■「日本のブルーオーシャン戦略」
アマゾンリンク
![9784904336113[1].jpg](http://koukeisha-juku.com/blogMT/9784904336113[1]-thumb-200x295.jpg)
おはようございます。
塾長の高橋です。
■最近、2社のクライアントさんとのミーティングで「ビジネスモデルをどう変えるか」という話がたまたま同時並行的に出ています。
ビジネスモデルを考えるフレームワークとしては、一番ポピュラーなものとしては、
(1)バリューチェーンで考える
(2)アンゾフマトリクスで考える
の二つがありますが、これらは基本として一応はおさえておくべきフレームなので、著書でも説明を簡単にしてありますが、中堅中小で一番使い勝手がいいのは「ブルーオーシャン戦略」です。
3月の後継者塾でも3時間で速習したのですが、塾生の評判はけっこうよくて、「あれ以来、うちの会社でも検討をはじめています」なんて声もありました。
■ブルーオーシャン戦略の復習
オリジナルは例の青い本ですが、最近「日本のブルーオーシャン戦略」(安部義彦+池上重輔著)というのが出ました。
さっそく読んでみたのですが、たぶんオリジナル翻訳本よりもわかりやすく実践的な印象です。
さて、ブルーオーシャン戦略を一言で言うと、
「価値をあげながら、それでいて、無理なくコストを下げる」
です。
ポイントは無理なくというところ。オペレーショナルエクセレンスとか、コスト削減、海外調達とかいった話を使わないところが目ウロコになります。
マイケルポーターの競争戦略では、
1.差別化
2.コストリーダーシップ
3.集中化(差別化してコストを下げる)
の3つが基本だとしています。
お気づきのようにこの考え方って、実は大企業の話なんですよね。
つまり規模経済や大量調達、コスト削減や業務改善をする余地がある経営資本がものを言うときの話。
が、ブルーオーシャン戦略は、
・大企業同士が火花を散らして戦っている土俵には行かない
・規模の経済ではなく、その土俵では必要とされていないものを削る
というものであり、資本ではなく知恵で戦う戦略。
中小企業は知恵で戦うわけですから、ぴったし(名古屋弁?)。 いや、むしろ戦わないということですが・・・
ブルーオーシャン戦略をざっと理解するならこれがよくまとまっています。
http://allabout.co.jp/study/bizenglish/closeup/CU20050704A/index.htm
■さて、「日本のブルーオーシャン戦略」の中で一番わかりやすいのが、ソニーのウォークマンの話。ERRCグリッドで整理すると、
※ERRCグリッド
除去:Eliminate, 減少:Reduce, 増加:Raise, 創造:Create
除去:録音機能、スピーカー
減少:微妙な調整、多機能
増加:使い勝手
創造:ファッション性+ポータビリティ
ソニー社内では「絶対売れない」といわれていたこのコンセプトを、当時の盛田社長が強引に推し進めました。盛田社長は「社内で反対が多かったので、これは売れると思った」というような記述を読んだ記憶がありますが、それぐらいの大胆さをもってERRCを検討していくのがポイントなのかなと思います。
■ちなみに高橋は、盛田社長の号令で社員を総動員させて電車の中でサクラ装着させ口コミ喚起させたという逸話を聞いて以来ソニーにあこがれて、新卒時と中途で三回も入社面接を受けてしました。全部落とされましたから、見る目がないのか、見る目があったのか・・・
■そのソニーがいつのまにか除去と減少のコンセプトから離れてどんどんウォークマンを進化させ、逆にシンプルに機能を絞った上でストレージ機能を創造したipodに負けてしまいました。
圧倒的勝者もいつのまにかレッドオーシャン的考えになります。それは大企業病のひとつの症状かも知れません。そしてベンチャースピリットをもったプレーヤーがブルーオーシャン戦略で市場創造していく。
言い換えれば、この厳しい時代であっても、知恵で戦うならいくらでも勝機があるということで、クライアントさんとのワークもそうですが、自分の事業でも、よりいっそう汗を流していこうと思っている今日このごろです。
■「日本のブルーオーシャン戦略」
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社長のコトバ力
2008年10月6日
おはようございます、塾長高橋です。
■10月3日も東京明治記念館で出版セミナーを行いました。
ゲストの(株)シオザワ社長塩澤氏のトークはいつもながらしびれました。
塩澤社長のすごい点は「コトバ力」です。
「言葉とは、言う葉っぱと書く。葉っぱにはウラ・オモテがあるから、オモテを使おう。つまりポジティブな表現に言い換えよう」
「悩むとは、”心に凶”。考える、といい直す」
「忙しいは、”心を亡くす”。充実している、と言い直す」
「挑むとは、自分の手でお金(兆円)を刈り取ること。逆に抜け道(しんにゅう)を探せば、まさに逃げるとなる」
・・・どこまでも尽きない「コトバ力」のオンパレードで、参加された方がペンをカリカリ走らせ、「うんうん、なるほどね」とうなづく姿が印象的でした。
■この「コトバ力」については、高橋も随分セミナーに出て学びました。いまだ道遠しですが、大手広告代理店のコピーライターの話などは、目からウロコの話が多いです。
たとえば、こんな課題が出ました。
1・おいしいという表現をつかわずに、目の前の玉葱の良さを表現し、見ている人に涎を垂らさせなさい
2.電車の中で、大声で仕事の話を携帯でしているオジサンに、一目でそれをやめさせるつり革広告を考えなさい
コピーライターは、いつもこういう課題設定でコピーを考えているとのこと。高橋もチャレンジしましたが、どちらも全然ダメでした。
ちなみに1の狙いは、
・おいしいというのは提供者側の主観であり、受け手には響かない
・絶対的に評価できること、つまり「ものすごい事実」こそが説得の唯一の材料
一方、2のほうは、
・自分のことを言っているんだな、と思わせないとダメ。
・相手はマナー違反を犯しているのは知っているので、そこを突いてもダメ。
・相手がどんな心理で話していて、どういわれるのが一番イヤなのかを事実をもとに訴える
ということでした。まさにマーケティングの世界ですね。
■今日のおすすめ本
![4844325442[1].jpg](http://koukeisha-juku.com/blogMT/4844325442[1]-thumb-200x284.jpg)
「案本」山本高史著(元電通のコピーライター)
ユニークなアイディアの提案のための脳内経験。ビジネス書とはちょっと違った、右脳を鍛えるための参考書です。
おはようございます、塾長高橋です。
■10月3日も東京明治記念館で出版セミナーを行いました。
ゲストの(株)シオザワ社長塩澤氏のトークはいつもながらしびれました。
塩澤社長のすごい点は「コトバ力」です。
「言葉とは、言う葉っぱと書く。葉っぱにはウラ・オモテがあるから、オモテを使おう。つまりポジティブな表現に言い換えよう」
「悩むとは、”心に凶”。考える、といい直す」
「忙しいは、”心を亡くす”。充実している、と言い直す」
「挑むとは、自分の手でお金(兆円)を刈り取ること。逆に抜け道(しんにゅう)を探せば、まさに逃げるとなる」
・・・どこまでも尽きない「コトバ力」のオンパレードで、参加された方がペンをカリカリ走らせ、「うんうん、なるほどね」とうなづく姿が印象的でした。
■この「コトバ力」については、高橋も随分セミナーに出て学びました。いまだ道遠しですが、大手広告代理店のコピーライターの話などは、目からウロコの話が多いです。
たとえば、こんな課題が出ました。
1・おいしいという表現をつかわずに、目の前の玉葱の良さを表現し、見ている人に涎を垂らさせなさい
2.電車の中で、大声で仕事の話を携帯でしているオジサンに、一目でそれをやめさせるつり革広告を考えなさい
コピーライターは、いつもこういう課題設定でコピーを考えているとのこと。高橋もチャレンジしましたが、どちらも全然ダメでした。
ちなみに1の狙いは、
・おいしいというのは提供者側の主観であり、受け手には響かない
・絶対的に評価できること、つまり「ものすごい事実」こそが説得の唯一の材料
一方、2のほうは、
・自分のことを言っているんだな、と思わせないとダメ。
・相手はマナー違反を犯しているのは知っているので、そこを突いてもダメ。
・相手がどんな心理で話していて、どういわれるのが一番イヤなのかを事実をもとに訴える
ということでした。まさにマーケティングの世界ですね。
■今日のおすすめ本
「案本」山本高史著(元電通のコピーライター)
ユニークなアイディアの提案のための脳内経験。ビジネス書とはちょっと違った、右脳を鍛えるための参考書です。
鍋屋バイテック視察で考えたこと
2008年10月3日
おはようございます、塾長の高橋です。
■9月30日の鍋屋バイテック視察会では、突然の金田社長の登場もあり充実したものになりました。創業450年、いまも隆々と栄え続け、工場なのに女子社員4割、全員が笑顔で働くその秘密の一端を知ることができました。
今回参加してくださった塾生さんの主な感想をご紹介します。
・働く環境を良くする事で、従業員のモチベーションを上げる方法は、素晴らしく思った。その結果、素晴らしいアイディア、仕事が生まれ、会社の為になる。
・スキルアップを推奨している事は、素晴らしい。
・社長の意見は、決定権である。いかに部下に議論させ、早く決定させる事が重要。
・結果より、手順を大切にする。結論より、議論を大切にする。
・会社は、自分の楽しさを感じれる場所。
企業視察は、絵を見るように右脳に働きかけ、インスピレーションが湧き上がるようです。まさに後継社長の最高の自己研鑽です。
■さて、高橋としては次が印象に残りました。
同行していた人事コンサルが金田社長に、
「社内を回っていると、社員の皆さんが一様に挨拶をし、マナーがしっかりしているのですが、これも先代社長からの影響ですか」
と質問を投げかけていましたが、高橋はなぜこのような「当たり前のこと」が印象に残ったのかを考えてみました。
以前読んだアルビントフラー『富の未来』の中で、
「マナーや礼儀、常識といったものは本来家庭が”コスト”を負担するべきものだが、産業資本主義社会では学校や企業が負担してきた。しかし、現代のポスト産業資本主義社会では、少なくとも企業はその”コスト”を負担することはできなくなる(競争力を喪失する)」
というような記述がありました(すみません、手元にないので少し違う表現かも知れませんが・・・)
つまり、マナーや礼儀、常識を持った社員が少なくなってきている、逆に言うと、そういう社員は「希少価値」である、と。考えようによってはすごい事実ですよね。特に中堅中小の経営者の方は「そうなんだよなあ」なんて実感されているんじゃないでしょうか。
うわべの面接テクにだまされ、こういう「当たり前だけど、すごく重要な資質」を見落としてしまった結果、仕事は出来るかもしれないが、礼儀・マナー無視の”とんでも社員”が増えているのかもしれません。
欧米のビジネス書には絶対書いていませんが、中小企業コンサルが必ず言っている「企業の業績向上は挨拶の励行から」・・・実は、けっこう深い話だと思った次第であります。











